皆さんこんにちは!河口です!
S DIVISION HOLDINGS INC.という名前を聞いたことがあるでしょうか。
この会社は、フィリピンに本社を置く投資会社として、日本国内で「高利回りの投資案件」として多くの人々に勧誘活動を行ってきました。
しかし、その実態は極めて疑わしく、多くの問題が明らかになっています。
同社は実質的経営者である須見一氏を中心として、日本国内で無登録での金融商品取引業を行い、多額の資金を集めていたとされています。
金融庁からの厳しい処分と法的措置
無登録業者として正式に処分対象に
金融庁の証券取引等監視委員会は、2023年6月28日にS DIVISION HOLDINGS INC.及び株式会社STEPCAPITALMANAGEMENTに対して、金融商品取引法違反行為の禁止及び停止命令の申立てを大阪地方裁判所に行いました。
この処分は、同社が金融商品取引業の登録を受けずに、違法な投資勧誘を行っていたことを意味します。
金融庁の調査によると、2021年6月から2022年9月までの間に、延べ2340名の一般投資家に対し、150億円を超える外国社債を購入させていたことが判明しています。
さらに、2016年10月から2022年11月までの間には、延べ2001名の一般投資家に対し、52億円を超える社債を購入させていたという驚くべき実態が明らかになりました。
特商法上の問題と事業実態の疑問
同社の事業説明では、フィリピン共和国内でのレンディング事業、ファイナンス事業、ビジネス・プロセス・アウトソーシング事業等を行うとされていました。
しかし、金融庁の調査結果によれば、SDH社グループのフィリピン共和国内における事業のために海外送金されている額は、調達した資金の一部にとどまっているということです。
これは、投資家から集めた資金が本来の事業目的に使われていない可能性を強く示唆しています。
実質的経営者の逮捕と詐欺の実態
須見一容疑者の逮捕と再逮捕
2025年8月には、S DIVISION HOLDINGS INC.の実質的経営者である須見一容疑者(45歳)が、無登録で社債を売っていたとして逮捕されました。
さらに同年8月27日には、詐欺の疑いで再逮捕される方針が発表されています。
容疑は、2022年から2023年にかけて、40代から60代の男性4人に対し、「フィリピンでの金融事業や日本語新聞の発行事業で、高い利益をあげている。
社債を買って投資すれば、年利10から15%の高い利息を毎月得ることができる」などと虚偽の説明を行い、合わせて7300万円をだまし取った疑いです。
被害規模の深刻さ
警視庁の調査によると、同社は2016年以降、全国の約5500人からおよそ460億円を集めていたとみられています。
この膨大な被害規模は、組織的かつ長期間にわたる詐欺行為が行われていたことを物語っています。
事業の実態を調べたところ、利息を支払える利益は実際にはなく、集めた金の一部を出資者に戻して集金を続けるという、典型的なポンジスキーム(自転車操業)の手法が使われていた疑いがあることが分かりました。
投資勧誘の手口と危険な兆候
高利回りを謳った勧誘方法
同社の勧誘手口は、年利10%から15%という異常に高い利回りを謳うものでした。
通常の金融商品では到底実現不可能な高利回りを約束し、「リスクが少なく、メリットが大きい」といった虚偽の説明で投資家を騙していました。
また、対面や対面に準ずる方法(ウェブ会議、電子メール等)により、SDH社グループの事業内容や商品概要の説明を行い、既存の顧客からの紹介を通じて新たな投資家を勧誘するという手法も使われていました。
口コミと紹介による拡散
同社の勧誘活動の特徴として、顧客からの紹介を重視していた点があります。
既に投資している人からの紹介により、信頼関係を悪用して新たな被害者を生み出すという悪質な手法が取られていました。
このような手口により、被害が拡大し続けていたと考えられます。
まとめ:投資判断の重要性
S DIVISION HOLDINGS INC.の事例は、投資詐欺の典型的なパターンを示しています。
高利回りを謳い、事業実態が不透明でありながら、無登録で金融商品取引業を行っていたという事実は、同社の投資案件が極めて危険であったことを証明しています。
金融庁からの処分、実質的経営者の逮捕、そして460億円という巨額の被害規模を考慮すると、この会社の投資案件は信憑性に欠け、詐欺的な要素が強いと判断せざるを得ません。
投資を検討する際は、必ず金融庁の登録業者であるかを確認し、現実的でない高利回りを謳う案件には十分な注意が必要です。
甘い言葉に惑わされず、情報を冷静に精査し、自分の資産や個人情報を守る行動を心がけることが重要です。